2025 年7月12日、石川県の私立星稜高等学校にて、「医師が教える本気の医療授業!自分と大切な人を守るために絶対知っていてほしい、メンタルヘルス!」と題して、医療教育の出張授業を実施いたしました。
実施概要
「医師が教える本気の医療授業!自分と大切な人を守るために絶対知っていてほしい、メンタルヘルス!」
概要
- 星稜高等学校GSPプログラム(GROW! SEIRYO PROGRAMS)
- 参加者:高校1年・2年生・3年生 25名
- 時間:60分
内容:
- 自己紹介
- なぜ医療を学ぶことが大事なの?
人々が自分の体を気にする瞬間は?/日本の医療現場の現実/自分や大切な人を守るためにできること/日本の医療費から見る予防医療の重要性 - メンタルヘルスの不調=心が弱いのではない!
- メンタルヘルスと高校生の成長
① 自我の確立(アイデンティティの確立)
自分ってなんだろう?何がしたいのだろう?と考え、価値観・ものの考え方が形成される時期
② 他者との比較と自己評価
学校での友達やSNSなどを通して、「周りの中の自分」を意識する/承認欲求/他者と比較して自分を評価→自分に対する迷いや葛藤を感じやすい時期
③ 親からの心理的な自立
一人の大人として精神的に自立/親との対立・反抗期 - 日本の精神疾患・自殺の現状
精神疾患で病院に通院する0〜24歳の人数/日本の自殺者数/世界と比較した日本の自殺の現状/高校生の自殺者数/高校生の自殺原因(入試や学業・進路などの学校問題) - うつ病
うつ病の症状とは?/何が怖い?/原因(生活環境・性格・遺伝)/どう防ぐ? - 神経性やせ症(摂食障害・拒食症)
神経性やせ症とはどういう病気?/なぜ怖い?/どういう人がなる?原因/どう防ぐ? - 最後に
参加者の声
授業後アンケート結果
- 今日の授業はためになりましたか?
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- 授業はわかりやすかったですか?
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- 今日の内容で印象に残ったところはどこですか? (複数選択可)
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- 「自殺の日本の現状」について知っていましたか?
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- この授業を受けて、こころの病気の症状や、ならないために気をつけることを少しでも身につけれられましたか?
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- この授業を受けて、メンタルヘルスについて「もっと知りたい」と思いますか?
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- 内容の難易度はどうでしたか?
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- 講義のスピードはどうでしたか?
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- 内容の量はどうでしたか?
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- このような医療の授業を、今後も受けたいと思いますか?
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生徒の声
この授業を受けてよかったと心底思います。ありがとうございました。
私自身、過去に人間関係などで悩み精神的に不安定だったことがあり、それらと重ね合わせながら今回お話をきいていました。これから人間関係などに悩んで精神的にやられることがあったら教えて頂いたことを思い出し、自分でケアしたり精神科の先生に相談したいと思います。私にとって凄く有意義な時間でした。ありがとうございました。
自分がメンタルについて興味があったことを分かりやすく説明してくれてしっかり理解できたし面白かった。今後自分でも気をつけてみようと思った。
今まで知らなかったうつ病や神経性やせ症について知れて、今後の行動に活かすことができると感じました。人生において大事なメンタルヘルスを学ぶことができたのでこの授業を受けて良かったと思いました。
元々メンタルヘルスについて興味があったので、今回のGSPで詳しく知ることができました。本当にありがとうございました。
思っていたよりも自殺という決断をしてしまう方や鬱になってしまっている方が多くて驚きました。私は今のところ鬱にならなそうだけど、みんながなる可能性があるものなので日頃から気をつけていきたいと思いました。
時々、落ち込んで考えすぎてしまうことがあるので、まあいっかと思うようにしたり、親や友達に相談したりしようと思いました。メンタルヘルスについて、今まで知らなかったことをたくさん学ぶことができてよかったです。これからに生かしていきたいなと思いました。
振り返り
この度、石川県の星稜高等学校にて「メンタルヘルス」をテーマに2回目の医療教育授業を行いました。日頃より医療教育の重要性をご理解いただき、ご協力を賜っております星稜高等学校の皆様に、心より御礼申し上げます。そして何よりも、数ある講座の中から私たちの授業に参加してくれた生徒の皆さんに深く感謝申し上げます。
前回は、「人体や病気(生活習慣病など)」をテーマに行いましたが、今回は大きく趣が変わり「メンタルヘルス」について焦点を当て講義を行いました。
高校生は、身体的な発達はもちろん精神的にも大きな成長をする大事な時期です。家庭や学校(部活・勉強など)の環境の中で、家族・友人・SNSなどとの関わりを通して、多くのことを経験し吸収し学ぶことで一人の大人として自立していく時期です。自分の進路や夢を模索する中で、「自分は何なのだろう?」「何がしたいのだろう?」と自問自答しながら自我を確立し、他者との比較の中で自分を見つめ、評価するようになります。
しかし、大きな成長を見せる反面、他者からの影響を受けやすく、自分自身に悩みを抱えやすいという脆弱性を持つ時期でもあります。彼ら彼女らは、日々自分が置かれている環境の中で、人間関係や学業のプレッシャーや悩みと闘いながら頑張っています。ストレスに感じることも多いはずです。
だからこそ、私たちは彼らに「メンタルヘルスについて正しい知識を持ってほしい」「自分で自分の心を少しでも守ってほしい」という強い思いで、今回の授業を行いました。
精神疾患は、誰にでも起こりうる病気です。そして、心の不調=弱い人間・甘い人間では全くなく、不調を抱えることは全く悪いことではないのです。むしろ、それだけ頑張っている証拠であるからこそ、人に相談することを恐れず、相談できることが素晴らしいと思ってほしいと伝えました。うつ病や神経性やせ症は、「真面目」「完璧主義」「頑張り屋」といった性格がリスクとなります。様々なプレッシャーにさらされながらも懸命に生きる彼ら彼女らが、時には「まあいっか!」「完璧ではないけどよく頑張った!」「何とかなるさ!」のように心にゆとり・余裕を持つことが、心の健康にとても大切なのです。
自分で自分を病気から守るためには、正しい医療知識が不可欠です。そして、将来社会の中心を担う彼ら彼女らが健康でいることこそが、より良い日本の未来を築く土台になるはずです。
我々は「本気で日本の医療を変える」― これからも、医療教育をまだ届けられていない学生・市民の皆さまにしっかりと届けるために懸命に活動して参ります。
星稜高等学校では、本年度あと複数回の講義を予定しております。
<授業スライド紹介>





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