この度、奄美大島で救急医としてご活躍中の國本医師を、新たに私たちの活動メンバーとして迎え入れることとなりました。
現場の最前線で医療に携わる中で抱いた深い課題意識を、私たちと共有してくださったことに大きな喜びと力強さを感じています。
今回の参加が、同じような思いを抱える全国の医療者の方々にとって、医療教育という新たなアクションを起こすきっかけとなり、私たちの輪が広がっていくことを心から期待しています。
以下に、國本医師の想いを掲載しております。ぜひご一読ください。
はじめまして。國本汐音と申します。
現在、りんくう総合医療センター救急科の専攻医として、奄美大島の大島病院に赴任しながら、急性期・地域医療に携わっています。
さて、「救命救急」と聞いて、みなさんはどんな光景を思い浮かべるでしょうか。
慌ただしい外来、次々と到着する救急車。
天才的だけどちょっとぶっきらぼうな救急医が、神がかった手技と迷いのない判断で、患者をかっこよく次々と救っていく——。
救命救急は派手でドラマチック。テレビドラマの題材になることも多く、特定の作品が思い浮かぶ方もいるかもしれません。
こういう導入の文章は、たいてい「いや、実際はそうではない」と続くのが相場ですが、今回は違います。私は救急医のかっこよさを、現場にいるからこそ実感しています。
しかし一方で、同じ現場のなかで、救急医としての限界とやるせなさもたくさん味わってきました。
私たちがどれだけ手を尽くしても、一度病気になった人を、100%元通りの状態で退院させられることはほとんどありません。
さまざまな後遺症、筋力の低下、認知症の進行——。何らかの傷を抱えて退院していく人が大半です。
私はずっと、「人は生きていれば病気になるもの」で、それを治すのが医師の役割だと思っていました。でも違いました。
「もしもう少し早く受診していたら」「もう少し生活習慣を変えていたら」
防げた病気、ならずに済んだ病気がたくさんありました。
「こんなことになるなんて知らなかった」「もっと早く知っていたら…」
そんな後悔の声も、何度も耳にしました。
私は、後悔する人を、少しでも減らしたい。
医療教育は、人生のなかの“ちょっとした選択”を変える力があると思います。
そして、その選択の積み重ねが、人生そのものを変えていくかもしれない。
派手さはなくても、ドラマチックでなくても——
私は、そんな「日常の選択を支えること」もまた、立派な「救命」だと信じています。
このNPOの活動を通じて、みんなが人生を考えるきっかけを届けられるよう、自分も学び、発信していきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
Meducation for Wellnessでは、活動にご参画いただけるメンバーを募集しております。
私たちは、医療・教育の垣根を越えて「医療教育」の社会実装に取り組んでいます。
医療現場で医療の限界や課題を感じている全国の医療従事者の皆様、また教育・IT・マーケティング・政策など各分野の方々と協働し、社会に新たな価値を提供していくことを目指しています。
我々が取り組む、医療教育や予防医療領域にはまだ大きな可能性が残されています。
「予防医学に興味がある」「何か社会を動かす新しいことに挑戦してみたい」などどのような理由でも結構です!少し話を聞いてみるだけでも大丈夫です。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。